3巻は、旧小説版の主人公の迫水真次郎の視点と、アニメ版の主人公のエイサップ・鈴木の視点の二つが交互に描かれる。
迫水は現実世界の裏にある異世界バイストン・ウェルで1950年代から数十年の時を越えて、異世界に新たな国を建国する。その国には現実世界の朝鮮戦争、ベトナム戦争や東欧の内紛で死んだ人たちが落ちてきて、迫水は異世界に居ながらにして50年の時を知る。
鈴木は21世紀の日本で大学生活を送りながら、次第に悪友たちとテロ組織の活動に参加する1年程度の時間が描かれる。また、彼の父親が岩国基地の米軍人指揮官と言う事で、アメリカの軍事に対する描写もある。
この世界と時間の流れの違う、二人の主人公が、「戦後」というテーマを過去と未来から挟み撃ち的に照射して描いている。こういう試みの小説はファンタジー小説ならではの離れ業であり、面白い。
そして、二つの世界がこの3巻のラストで混ざり合う。このダイナミズムも素晴らしい。