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リーマン予想のこれまでとこれから
 
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リーマン予想のこれまでとこれから [単行本]

黒川 信重 , 小山 信也
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

黒川 信重
1952年栃木県に生まれる。1975年東京工業大学理学部数学科を卒業。1977年同大学大学院理工学研究科修士課程を修了。その後、東京工業大学助手、助教授、東京大学助教授を経て、東京工業大学大学院理工学研究科教授。専門は整数論・ゼータ関数論・絶対数学。理学博士

小山 信也
1962年新潟県に生まれる。1986年東京大学理学部数学科を卒業。1988年東京工業大学大学院理工学研究科修士課程を修了。その後、プリンストン大学客員研究員、慶應義塾大学助教授、ケンブリッジ大学ニュートン数理科学研究所所員、梨花女子大学客員教授などを経て、東洋大学理工学部教授。専門は整数論・ゼータ関数論・量子カオス。理学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 181ページ
  • 出版社: 日本評論社 (2009/12)
  • ISBN-10: 4535785503
  • ISBN-13: 978-4535785502
  • 発売日: 2009/12
  • 商品の寸法: 21 x 15 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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35 人中、32人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
現代数学最大の未解決問題と称される「リーマン予想」の,誕生から最先端までを解説した傑作である.
最先端といいながら,解説は平易に努められており,「複素数乗」の意味や,群論や線形代数の復習も
随所にちりばめられているため,数学好きな高校生でも何とか読みこなせる程度に仕上がっている.
(ただし,終盤のスペクトル理論などはかなり計算が難しく,すべてを忠実に追うのは困難だろう.)

第1部から第4部に分かれており,第1部は序章,第2部は歴史,そして第3部からが本論である.
特に第3部では,これまでにリーマン予想が解かれたゼータ関数として,合同ゼータ関数と
セルバーグ・ゼータ関数を挙げ,それらが解決された仕組みを詳しく解説している.

数学愛好家ならば,リーマン予想とセルバーグ・ゼータ関数が関係していることは,
これまでも様々な読み物で周知の事実として取り上げられたのを目にしてきただろう.
しかし,その理論的な関係を正しく理解することは難しかったのではないかと思う.
本書は,これまで疑問点のまま見過ごされてきたそうした部分を,徹底的に詳しく解説している.

中でも,セルバーグ跡公式は,数学科の大学院生にとっても理解に数か月かかるほどの難物であり,
これまで日本語の解説書がほとんどなかった.これが本書の第9章を丸々使って解説されている.
しかも解説は平易であり,代数学・幾何学・解析学のすべての分野から必要なエッセンスを
抜き出しうまく組み合わせて解説している.これだけの内容を独力で勉強するのはほとんど
不可能であり,著者の見識の広さと深さが感じられる一冊である.

進んだ高校生からすべての数学愛好家,さらに数論の大学院生の虎の巻としても
お勧めしたい良書である.
このレビューは参考になりましたか?
11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By susumukuni VINE™ メンバー
形式:単行本
この本は数学の最大の難問であるリーマン予想とその周辺の研究の進展の歴史を全4部構成で解説するもので、その第3部「リーマン予想からの進展」が核心部をなす。

そこでは、ゼータ関数の零点はあるエルミート作用素の固有値に関係するのではないかというヒルベルトとポリヤによる「固有値解釈」が成立する二つのゼータ族である「合同ゼータ関数」と「セルバーグゼータ関数」が詳しく解説されている。ここで特筆すべきは「セルバーグ跡公式」と「セルバーグゼータ関数」発見の素晴らしさの解説で、リーマンの明示公式の拡張である「ヴェイユの明示公式」と「セルバーグ跡公式」の類似性から、対応するゼータ関数の存在を察知したセルバーグの偉大さを実感できると思う。

セルバーグ跡公式をコンパクト空間(例えば、複素上半平面を双曲型のフックス群で割った閉リーマン面)に限定し、スペクトル項が離散スペクトルからの寄与になる場合だけを解説する入門書が多いが、本書では非コンパクトの場合の典型としてSL(2,Z)の跡公式が詳しく扱われており非常に好感が持てる。放物型の共役類の存在が如何に理論を難しくかつ面白くしているのか、キーポイントとなる「実解析的アイゼンシュタイン級数のフーリエ展開」の素晴らしさとともに、ぜひ鑑賞して頂きたい。

ここまでフォローされた方に、「保型形式の数論」を続けて勉強される事をお薦めしたい。本書に直接関連する部分でも、「クロネッカーの極限公式」や「クズネツォフ跡公式と和公式」など、実に素晴らしい理論と応用がある。「数論II」(岩波)の9章と11章を一読された後、本橋著『リーマンゼータ函数と保型波動』やIwaniec-Kowalski著『Analytic Number Theory』(AMS Coll Vol. 53)の14〜16章などを参照されると、更に広大な展望を得る事ができると思う。
このレビューは参考になりましたか?
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
周知のように,リーマン予想はリーマンのゼータ関数の非自明なゼロはすべてRe(s)=1/2上にあるだろうというもので,これが成立すれば素数の分布を非常に精確に評価することができる.零点は無限に多く,しかも極めて不規則に現われるため,この問題は正面突破では解決できそうにない.それゆえ,リーマン・ゼータのいろいろな類似物を考えて,側面攻撃を考える.
本書では,オモチャのゼータであるZ-力学系のゼータ関数の解説から始めて,合同ゼータ関数,セルバーグ・ゼータ関数を紹介する.普通の本では適当に飛ばしてあるところもきちんと式の変形が書かれていて,数学好きの読者にはうれしい.特にセルバーグ跡公式に関する第9章と第10章は圧巻である.積分計算があらゆる技法を駆使して行われており,ちゃんとフォローするのは相当数学的実力のある読者でないと無理であろう.

他のレビューアーもべたほめのようなので,少しアラ探しをしておこう.p.76の3行目,「mが整数のときsin(πm/2)=(-1)^m」はひどいケアレスミス.p.78の1/(m^2+1)のmがすべての整数にわたる和を与える公式(+−のミスプリントがある)がポアソン和公式から得られる「驚き」の結果として書かれているが,これはよく知られたcot(πx)の部分分数展開式のx=√(-1)のときのものだ.同じページの例3では,何の断りもなしにxとyが始めの2式と後の2式とでは全く別の意味に使われている.
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