アメリカの金融危機における、ベア・スターンズの破綻から、リーマン・ブラザーズの破綻、最終的な公的資金注入までの流れを詳細に追ったノンフィクション。取材が本当に徹底していると感心させられる。インサイダーと思われる情報も満載で、非常に興味深く読んだ。日本であれば関係者が口を閉ざしてしまうところだが、アメリカだとジャーナリズムへの対応が違うのだろうか。あるいは、著者の取材力なのだろうか。原注を見ると、政府関係の情報開示も多いようだ。
非常に大部だが、小説仕立てで読ませるので、まったく苦にならず、上下巻を一気読み。正直、下手な小説より面白い。とくに、ポールソン財務長官、ガイトナーNY連銀総裁、ウォーレン・バフェット、さらには投資銀行のCEOたちのキャラクターがあまりに濃く、彼らの言動や行く末が気になって気になって仕方なかった。また、三菱UFJがモルガン・スタンレーに振り出した90億ドルの小切手の現物写真が生々しくて良い。