必要な予備知識は主に関数論だけ。コーシーの積分定理と積分公式、留数、解析接続、最大値の定理などの言葉に慣れていれば読みやすい。慣れていなくても関数論の教科書を手元に置いて読んでいけば、ゼータ関数のことを勉強しながら関数論のいい演習にもなっているので、自然と関数論の基本が身に付いてくる。
実際に証明の中でやるのは主に関数の誤差を不等式で評価していくことで、いかにも解析をやっているという気分になる。3章あたりからオミクロンや<<などの記号が何度も出てくるが、これには慣れていないと少し戸惑うかもしれない。
現在わかっている最先端の内容まで紹介されてあり、丁寧にその文献も書かれてあるので意欲があればこの本から飛び出して最新の研究内容まで深く知ることもできる。最小限の予備知識で、リーマン型のゼータ関数を広くも深くも学べる良書である。