ウェイト版の解説書が多い中、マルセイユ・タロットの解説本は少ないので、タロット・ファンにとっては非常に貴重な一冊だと思われます。
著者の一人は、『タロット大全』の伊泉龍一氏なので、よくありがちな独断的な意見を書き連ねたタロット本とは異なり、さすがに非常にバランスがとれた記述となっています。
二部のマルセイユ・タロットの図像の解説も、著者の思い込みとしか思えないオカルト的なものではなく、その分析の根拠を提示しながら進めていく、非常に冷静でまじめなものとなっています。
前半は占い方の解説となっていますが、リーディングについての考え方には、「パースペクティヴ主義」と著者が述べる、ある種の哲学的というか、現象学的(?)な視点も盛り込まれ、なかなか興味深い内容となっています。
個人的には、そこのところをもっと突っ込んで書いて欲しかったので、もし次回作があるなら、さらなる哲学的展開を期待したいところです。