本書のキーワードは、「言語化」だ。リーダーシップや組織行動論の研究で著名な著者が、リーダーシップに関する内外の各種研究を紹介しながらも、あえて個々の経営者が持つローカルな持論も尊重し、読者一人ひとりが自分のものに咀嚼していくことを最も重要視する主張が、一貫している。
文献紹介も豊富だ。参考文献の羅列に終わらず、リーダーシップに関する書籍を、著者自ら厳選して紹介している。ひとつひとつ丁寧に紹介しているので、ひとつでも選んで読んでみようという気になるものだ。学習意欲を継続的に持たせてくれる効果も、高い。
終章で、著者は本書を「自分で考え自分の言葉でリーダーシップ持論を構築しそれを実践するためのガイドブック」と説明している。新書版にもかかわらず、300ページを超えるボリュームで、内容も非常に濃いので、入門書と位置づけられていても、リーダーシップについて問題意識を持っていないと、通読は難しいかもしれない。だからこそ持論を磨き上げるために何度も読み返して欲しいバイブルである。