阪本啓一氏の最新作を読んだ。いつも感心させられるのだが、一つひとつの言葉に力がある。力があるから、説得力がある。それは軸足がしっかりと「現場」にあるからだろう。こうした世界を描ける人は少ない。リーダー力は、現場力。それゆえ、阪本氏の著作には価値がある。
「リーダーは異新を創り出す」(リーダー心得其の四)「リーダーは笑う」(同其の九)「リーダーは疲れる」(同其の十)には、何度も頷かされた。
現状を守ることに、汲々としているリーダーは多い。「守る」からは、何も生まれない。「失敗」をしないかわりに、大きな成功もありえない。
阪本氏がいうように「笑い」は、知を刺激する。笑いのない職場からは、付加価値の高い仕事は生まれない。がんばれば「疲れる」が、守る人は疲れない。野中郁次郎氏がいう「知的体育会系」のリーダー像を、阪本啓一氏はさりげなく示してくれた。
コンパクトな一冊だが、中味は濃い。リーダーって、ポジションのことではないんだぞ。もっと人間味あふれた存在のことだ。読後に、上司と部下が肩を並べて、遠い未来を指差している図があらわれた。