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イギリス、アメリカ、中国、そして日本の諜報機関、警察機関などが入り乱れ、奪い合うある情報と、それに翻弄されるテロリスト、刑事、諜報部員。彼らは組織、国家の歯車として動くことだけを期待され、用無しとなるや抹殺されていく運命にあります。しかしそのような状況の中で、彼らがいかに自分??意志というものを発露するか苦悩し続ける姿が描かれます。たとえ彼ら自身が、それを感傷に過ぎないと分かっていても。
各々の立場が課してくる「国益」と「正義」に、彼らがいかにして立ち向かうか。そしてそれに押しつぶされながらいかに生きるか。ここに描かれているのは実に現代的なテーマです。重いテーマでありながら、息もつかせぬスピード感と、重厚なストーリーで一気に最後まで読ませてしまう作者の力量はやはり並の作家ではありません。久々に時間を忘れさせられた小説でした。
イギリスと日本を舞台に「リヴィエラ」と呼ばれたエージェントを巡る国際謀略のストーリー。92年1月、雪が降る夜、雪を見ながら死に行く男の独白シーンに物語は始まる。都内それぞれの場所で謀殺された外国人の男女。事件に関わる警視庁外事課の刑事。だが、捜査は上から圧力で中止させられる・・・。84年、舞台はイギリス。IRAの若いテロリスト、ジャック・モーガンの物語が語られる。恋人リーアン、彼に関わるCIAのエージェント、暗躍するイギリスの情報機関<MI5>、<MI6>、スコットランドヤード、CIA、組織間の対立、情報の隠匿・・・。
それぞれに情念を抱える男たち。仕事に対する義務、気概、生き方、息詰まる人間関係、組織の論理と個人。暗く重苦しい雰囲気に懊悩しながらも、逃げない男たち・・・。女性の登場人物は少ないが、その分、キラリした印象を残す。
海外を主舞台に緻密で重厚なストーリーに圧倒される(これが日本人による作品か、という驚き)。運命に抗いながらも逍遥として受け入れる男たち・女たちの生き様が印象的。
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