内容紹介
リンパ浮腫の罹患数がこれほど多く、医学は日進月歩の進化を遂げているにもかかわらず、これまで医療従事者の教育課程において、リンパ浮腫に関する知識の習得に時間が割かれることはほとんどなく、わが国のリンパ浮腫診療は長い間取り残された領域でありました。
しかしながら、ご存じのとおり2008年度の診療報酬改定にあたり、癌治療のリンパ節郭清に伴う続発性リンパ浮腫に対して、弾性着衣や弾性包帯を用いた圧迫療法が保険適用(療養費扱い)となったのに加え、リンパ浮腫の発症抑止を目的とした「リンパ浮腫指導管理料」が新たに設定されることになり、いよいよリンパ浮腫に標準治療を提供するための整備が始動したといっても過言ではありません。
本ガイドラインは、これまで経験主義になりがちで、しばしば「不治の病」として放置されることさえあったリンパ浮腫に対して、他の疾患と同様に、科学的根拠に基づく標準治療の指針たり得るものを目指して、極めて客観的に厳格な過程を経て作成いたしました。その結果として、日本リンパ学会、日本産科婦人科学会の推薦ならびに日本乳癌学会の理事長推薦をいただくことができましたので、ここに申し添えます。
(「巻頭言」より一部を抜粋)