この映画は本当に怖い。何がどうって、この映画には日本映画独特の湿度が感じられるの
だ。こんな背筋がゾワ〜とするような感覚を味わったホラーは、そして後々にまで恐怖感を
引きずった映画を観たのは久しぶりだったような気がする。もちろん原作の良さもあるわけだ
が、迫り来る時刻がまるでドキュメンタリーのように心の中に入り込んでくるようだ。
また、ホラー映画としてはよくありがちな、効果音や極端な画面構成で観る者を怖がらせる
ことがここにはない。いわば静かなホラーというのにも感心させられる。
ラストのTVの仕掛けには賛否があると思うのだけれど、ビデオという小道具を用いる限
り、私にはあまり違和感を感じなかった。逆にそれまで、出るぞ出るぞと思わせておきなが
らも出てこない恐怖(「エイリアン」もそんなだった)を十分すぎるほど味わっていたた
め、あのシーンでのインパクトは相当なものだった。まさにジャパニーズ・ホラーの傑作と
言えるのではないだろうか。
出演者では松島菜々子さんが熱演していて良いと思うのだが、真田広之さんの恐怖に立ち向
かう表情も何とも頼もしく感じる。また竹内結子さんが脇役で出てくるので要注意。
この貞子のモデルとも言われる御船千鶴子の生涯については、80年頃に今野勉が演出し
た名作ドラマ「霊感少女」(大竹しのぶ主演)が忘れられない。ぜひDVDとして出し
てほしいと思うのだが・・・。