長い黒髪を垂らした白服の女の幽霊・・・という貞子のビジュアルは、その後多くのエピゴーネンを生み出して
消費し尽くされた感がある。この作品以降の和製ホラーに出てくる幽霊が貞子のイメージを踏襲した類似品だったことを
考えれば、いかに本作が偉大だったか伺えよう。そのため改めて見直しても公開当時ほどのショックは感じられないが、
『リング』の大ヒットが有形無形でその後の和製ホラーに与えた影響の大きさを考えると、やはりこれは20世紀最後に生まれた
Jホラーのエポックメイキング的な位置にある映画と思う。
キャスト面では映画冒頭で死ぬ第一の犠牲者が少女時代の竹内結子だったり、頬がポチャポチャした松嶋菜々子の初々しさなど
見どころ多し。
音声は6.1 DTS-HD Master Audioと、2.0chドルビーサラウンド。特典映像には文字だけで構成した30秒ほどの特報と
『らせん』の映像をザッピングして作った予告編をHD画質で収録。この予告編の最後に流れる「♪きっと来る〜」という主題歌も
忘れがたい。
ローコントラストポジからのテレシネは、ややザラッとした質感の画面で昨今の新作映画のブルーレイには及ばないが、
1998年の映画と思えば仕方ないかも? 作品の性格上、薄暗い室内やナイトシーンが多いが、暗がりの箇所にフィルムグレインを
高めに感じる。それでも99年発売のジュエルケースのDVD(これは酷い低画質)、ニューマスターを使った09年のHi-Bit版DVDに
比べれば画質は飛躍的に向上しているのでOK。ポジから起こした10数年前の映画ならこれぐらいでしょう。
待望のブルーレイ化にしては解説書やチャプター表などの封入物が全く無いのは寂しかったですね。