本書にレスラー、関係者の肉声は出てこず、19世紀より始まる酒場やカーニバルでの模範試合から、全米各地の興行会社によるトラスト、フリークやギミックレスラーの登場、NWA,AWA,WWWFの3大興行会社時代を経て、現在のWWE一人勝ち迄、競技・興行の歴史を綴った内容となっている。
流智美のような研究家ならいざ知らず、一般のファンが読んでも最後の1/4程度しか知っているレスラーや興行会社は出てこないだろう。
私もそのクチで、ビンス=マクマホンJR.によるTV番組作りやマーケティング、スターレスラーに役を与えた売出し(これらの詳細については記されていないが)による“筋肉ドラマ”や、今も続くソープオペラ&ハードコア路線で、WWCとECWを吸収していく部分には食いついたものの、前半の聞いたこともないようなレスラーやプロモーターの活躍については、少々退屈だった。
副題を見た限りでは、映画のようにその時々の時代背景にリンクした、社会の縮図的な裏面が、気の利いた映画評のように解説されているように取れるが、そうではないのも不満。
歴史書として読むなら類書が無いので5、プロレス本としてなら3で、間をとって4とした。