主人公の蓮見は、家庭にも居場所がなく、同級生の星野たちからも陰湿ないじめを受けている。そんな蓮見の心の支えは、歌手リリイ・シュシュの紡ぎ出す音楽と、ほのかな恋心を抱いている相手、クラスメートの久野陽子だった。だが星野たちの手によって、神聖な存在である久野が汚され、唯一の救いであるリリイ・シュシュのコンサートへ行くのも妨害された蓮見の怒りは、ついに残酷な形となって爆発する。
フィクションである本書に現実味を持たせているのは、リリイ・シュシュの存在だ。架空の人物であるにもかかわらず、各章には彼女の歌詞や、インタビュー記事がたびたび挿入される。また、その孤独な生い立ちを説明することにより、彼女に共鳴する若者たちの姿までを鮮明にしてみせる。『ラヴレター』で描かれた中学時代が淡く切ない青春ならば、これはその裏側にある、思春期にぽっかりと空いた暗い穴だ。大人へと変わっていく過渡期特有の、純粋さと邪悪さを扱ってきた岩井作品の二面性を、より理解できる1冊である。 --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。
登録情報
|
この本、映画見た方も見てない方も感動させると思います。同じストーリーなんだけど、別物みたいです。本を読めば、映画を違う立場から見ることができるし、本はそのもので面白いです。登場人物ももっともっと深く理解することができました。
少年少女の悩みや、ネットの魅力や、音楽の力など改めて感じました。青年時代があった方、音楽に感動させて入り込んだことがある方、ネット上人と出会ったことがある方、みんな楽しめると思います。
人間の根本的な苦闘を語る、国境を超えられる一昨です。
人間は誰もがリリイ・シュシュのような「神」的存在を見出しながら生きているのではないだろうか。不思議な感覚だが、もやもやとした気持ちの中に一種の爽快さを感じる。「生きていること」をかみしめた。
時間的には、映画→小説という経過があるのだが、小説が先に公開されていたから、本当にどちらを先に体験してもいいと思う。
映画をみてからこの本を読んだわたしは、もういちど映画をみたくてウズウズしている。
あまりにも辛く、美しく、かなしい青空がみえる。
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|
|