彼の音楽活動と、彼が紡いでいる作品は、80年代中期のウィンダムヒルレーベルに相通ずると思う。彼の楽曲を聴きながら目を閉じると、森や自然の生命力や、大地に根付くブナの息づかいを感じる。日本のアーティストで、自然の営みが与えてくれる癒しの力に、クラシックギター一本でここまで迫れたミュージシャンは稀有だと思う。
その佐藤正美さんの作品がこのように、似たようなベスト盤で何度も同じような曲ばかり収録されて繰り返しリリースされるのは残念だ。彼がその時代時代で、あるテーマを持って取り組み、一枚のアルバムにまとめたのがオリジナルであり、それら個々の作品がベスト盤の発表で埋没していくのは悲しい。
時代は彼のようなミュージシャンを求めていると思う。もう一度一枚一枚のアルバムをきちっと復刻検証して、これ迄の偉業の全てにきちんと光が当てられるのを期待する。