人はそれぞれに思うところがあり、目標に向かって何かをやり遂げよう、更にはそれが発展して、自分が生きてきた証として、次の世代にモノでありマインドであり何らかのきもち、DNAを残そうとするものですね。
著者は、普通に社会人として過ごしているよりも、リヤカーを引っ張って見知らぬ土地を旅し、出会う人々とふれあい、その一歩一歩をからだで噛み締める出来事の方が生きている時間が多いと感じるとのことです。
そんな著者は生き方が不器用なのだと思います。そうしないと充実せず満足感が得られないのです。
しかし、不器用にしか生きられないとしても、誰もが成し遂げていないこと、それも30年を費やして、荷物で重いリヤカーを引っ張り、地球一周40,000km分を踏破することは人並みではないことです。
読者は、その事実に畏敬の念を抱かざるを得ないでしょう。
本書は、地球一周分を踏破し、決意を新たに、次なる目標へトライしたものです。
地球二周目の一歩として、南米チリ海抜0mから出発し、50℃を超える激暑と猛乾燥、塩湖の荒地といった最果てのアタカマ砂漠から極寒と高山病の戦いの5000m級のアンデス山脈越えを総重量200kg以上のリヤカーを引っ張って壮絶な踏破をやり遂げた冒険本です。
著者はプロの文筆家ではないので、美的な文章は期待できませんが、つらくても一歩一歩踏みしめる気持ちとピュアな眼差しから洗われた心がリアルに伝わってきます。
小学高学年から大人まで幅広い層に、本物の勇気と忍耐というものを教えてくれることでしょう。