財産、と言ってもいろいろありますが、不動産や持ち株や預金の額よりも、一番根本的な財産とは、何と言っても能力でしょう。
もし、この勉強がスイスイはかどり、何でも見ただけで覚えられ、即座に理解できたら人生思いのまま。もっと高い地位につき、人類の幸福の為に貢献できるのに…なんて思ったことのある人も多いと思います。
現実はそんな夢とはほど遠く、自分の生活を守るので手一杯、大きな志なんて夢のまた夢…というありさま。
この映画の設定とはほど遠いですが、何かの練習や試合に行くのに、たまに奮発してドリンクを飲んでみたら妙に調子がよくって、その気持ち良さが忘れられなかった。そんなもの飲んでまで勝ちたくないよ、という根性論の人を尻目に、やっぱりスーパードリンクって伊達じゃなかったんだ…と思ったことがあります。
或いは、特定の嗜好品を、ただ好きだという理由で毎日食べていたら、妙に頭が冴えまくり、何となく脳が精巧なコンピューターになった気分…後でふと、その時に食べていた嗜好品に、スマドラやアルツハイマーの治療薬と同じ成分が含まれていたことを知り、なるほど…と思ったこともあります。
だから、この映画の設定はとてもよく分かります。やりたいこと、好きなこと、持てる目標が大きければ大きいほど、スーパーマン願望ってあるものだと思いますし。
しかし残念ながら、この映画のような極端な効果をもたらすものは、覚せい剤のタグイだろうし、効果にしても一種の錯覚を含めたものだろうと思います。ちなみに、脳は普段は○%しか働いていない、というのも、最近の医学的常識では間違いだそうです。
「能力」だけに的を絞ったファンタジーと考えればいいのかもしれませんが、ドラッグはしょせんドラッグ、能力はしょせんは能力で、人格のついてこない能力は結局は両刃の剣だと思います。
そんなことまで考えてみると、素材としては面白い映画だと思うのですが、いったい何を言いたかったのかがよく分からず、それは見る人それぞれさ、とモヤモヤさせるレベルまでも行っていないような中途半端な映画でした。