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5つ星のうち 5.0
ジム・ジャームッシュの集大成, 2010/7/31
レビュー対象商品: リミッツ・オブ・コントロール スペシャル・エディション [DVD] (DVD)
劇場公開後1年になりますが、やっとDVDが発売になりますね。いや、めでたい。(笑) はっきり言ってよくわからない映画です。だからといって、難しい映画でもない。実験映画的であり、芸術映画でもある。それでも、娯楽映画であることを貫いてはいる。私は、大好きです。 以下、気づいたことを断片的にダラダラと連ねます。(笑) 主役の「孤独な男」(イザック・ド・バンコレ)は、ジム・ジャームッシュの、ちょうど10年前の映画「ゴースト・ドッグ」で、フォレスト・ウィッテカーが演じた「葉隠」の世界を体現するストイックな殺し屋にも通じる。 撮影はクリストファー・ドイル。美しい風景の連続から近未来的な浮遊感。音楽は、日本のロックバンド、Borisが担当。そのサイケデリックでノイジーながらソリッドな音が効果的にというかアクセントになっている。 「宇宙には中心も端もない」という映画冒頭のセリフと同じことを、工藤夕貴演じる「分子」 も言う。彼女の登場するシチュエーションが89年(20年前!!)の「ミステリー・トレイン」を連想させる。 「孤独な男」が見ている世界は、夢想の世界なのか? それを示唆するために、そういうシーンは、ちょっとスロー画面になっている? 彼の「こだわり」が面白い。携帯を嫌い(「ゴースト・ドッグ」では通信手段は伝書鳩だった)。エスプレッソを必ず2杯一緒に注文する。 殺しの任務中はセックスしない。毎朝、太極拳をする。朝食は洋ナシだけ、等々。 ジョン・ハート演じる「ギター」が、「ボヘミアン」と繋がる『フィンランド映画』にいいのがあったと言う。これは、アキ・カウリスマキの「ラヴィ・ド・ボエーム」のことでしょう。 「ダイヤモンドは女の友達」は、「紳士は金髪がお好き」で、マリリン・モンローが歌う超有名曲。そういえば、「ムーラン・ルージュ」でニコール・キッドマンも歌ってた。確かに、女はダイヤモンドが好きだ。(苦笑) 厳重警戒された要塞のような建物の中に、殺しのターゲット「自分だけが偉大だと思っているアメリカ人」がいるわけだが、「孤独な男」は、あっさりターゲットの部屋にたどり着く。そのビル・マーレイ演じるアメリカ人が「どうやって入ったんだ」と訊くとと、「想像力でさ」と答える。(笑) 86年の「ダウンバイ・ロー」でも脱獄者の話なのに、脱獄シーンを描かないという離れ業(?)をやってたな。 「人生は何の価値もない」という言葉が何度も出てくるけれど、「運転手」のトラックの後ろにもその文字が書かれていた。 最後に、「孤独な男」が美術館で観ているキャンバスにシーツを貼り付けたような作品は、スペインの現代芸術家アントニ・タピエスの作品でしょう。 やっぱり「人生は何の価値もない」という言葉に対応しているのか? ある意味、何色にもできるとの示唆か?
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5つ星のうち 5.0
なんだか好きです。, 2010/9/16
レビュー対象商品: リミッツ・オブ・コントロール スペシャル・エディション [DVD] (DVD)
この映画、表現のしようがないんですが ひたすらたんたんと進んでいきます。 けど、なんだかすごく気に入ったんですよね。 見る人を選ぶというか、とてつもなくつまらないと思う人もいると思うので 万人に薦められるものではとてもないですが 人によってはすごーく気に入るものだと思います。
5つ星のうち 4.0
創造力が世界を救う, 2012/1/25
レビュー対象商品: リミッツ・オブ・コントロール スペシャル・エディション [DVD] (DVD)
ウィリアム・S・バロウズの同名エッセイをタイトルにした ジム・ジャームッシュ監督4年ぶりの新作は、映画の冒頭に、 “無情な大河を下りながら もはや船曳の導きを感じなくなった”と アルチュール・ランボーの“酔いどれ船”の一節が引用されているように、 コミュニケーションの破綻により、管理能力のコントロール不全(リミッツ・ オブ・コントロール)に陥ってしまった現代社会の中で、人間の想像力 の可能性に言及した作品で、主人公の殺し屋“孤独な男”は、想像力とスキルを 武器に、“自分こそ偉大だと思う男を墓場に送れ”と、ある組織から 依頼を受けて、不可思議な協力者に接触しながら、彼の主観が 作り出した世界の中で、目的を遂げるために創造の旅を続けます。 宇宙には中心も端もない 現実は気まぐれだ マルグリット・デュラスがジャン=ピエール・メルヴィルの「サムライ」を リメイクする感じ”とジャームッシュ監督がインタビューで答えていた通り、 彼の作品中、最も観念的な作品ですが、終始無言の主人公(イザック・ ド・バンコレ)を狂言回しにして、彼に絡むティルダ・スウィントン、 工藤 夕貴、ジョン・ハート、ガエル・ガルシア・ベルナル等の ゲストスターたちが演じるボヘミアンたちに、人生、命の意味、 アート(映画、音楽、絵画)、科学等に対する監督自身の思いを 語らせます。 古い映画が好き 昔の世界が見られるわ。 最高の映画って 決して見なかった夢のようなものよ 本作の最大の収穫は、監督がその独創的な音楽に インスピレーションを得たと言う、 日本のストーナーロックバンドBORISの楽曲でしょう。 彼らの曲を聴くのは初めてでしたが、主人公の旅立ちの時に 流れる『Fuzzy reactor』ほか『Farewell』『Blood swamp』 『Fedbacker』等幻想的な楽曲が作品に違和感なく融合して、 映画のユニークな世界の構築に貢献しています。
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