●無機質なビル群、感情を抑制された灰色の人々、指導者の映る大型ヴィジョン、飛行船。
レトロで懐かしい近未来描写がノスタルジーを誘う。
SFアクション作品と喧伝されがちだが、むしろ静かな場面が印象深い。
とにかく「動」と「静」のシーンの対比が美しい。
そして、二丁拳銃や日本刀によるアクションのキレも良い。
流行のワイヤーやスローモーションに頼らないアクションのスピード感が爽快。
馬鹿馬鹿しいほど無敵の「ガン=カタ」。とにかく格好いい。
俳優陣も演技派揃いである。
クリスチャン・ベールの演技に感情移入し、どんどん引き込まれる。
エミリー・ワトソンの瞳の輝き、テイ・ティッグスの笑みから目が離せない。
ショーン・ビーン、ウィリアム・フィッチナー、アンガァ・マクファーデンも
大きな存在感で作品を支えている。子役の演技も良い。
ハリウッド式の派手なラブシーンが無いのも新鮮だ。
クラウス・バデルトによる、重さと激しさと美しさを備えた音楽も素晴らしい。
様々な銃が登場するのでガンマニアにも嬉しい。
「完全な平和」か「人間性の回復」かの選択という、作品のテーマも良い。
本当にハッピーエンドといえるのかどうか難しい結末も深い。
1時間47分という短さもテンポが良い。
「もう少し観ていたい」というのが本音だが。
●特典の「GUN=KATA・インデックス」では劇中のアクションシーンだけを
選り抜いて見ることが出来る。
劇中で使用されたモデルガンの詳細な解説もあり、マニアにはたまらない。
監督や制作の音声コメンタリは二重の意味!で涙を誘う…