まず最初に、この作品は木原音瀬さんの原案とは書いてありますが、
木原さんがこのコミックスのストーリー自体の原作者ではありません。
これは、コミックスの裏や帯にも書いてあるように、
木原さんの小説「リベット」のその後を
天野瑰さんが、独自視点のオリジナルストーリーで描いた作品です。
そこを踏まえてから読まないと、
ただ木原さんのファンだからといって楽しめる作品ではないかもしれません。
ご注意を。
私は、天野さんのファンで逆に木原さんの他の作品をあまり読んでおらず、
ですが、この作品は小説から先に読んでいました。
そして、「ergo」掲載時からこの漫画を毎回拝読していました。
5回の連載で毎回ハラハラドキドキする展開で、いったい次がどうなるのか、
二人の未来がどう上手く行くのか…本当に先が気になる漫画で
「ergo」掲載時から、一番大好きだった作品です。
小説のカバー下のショートの展開で、
すでに二人が上手く行くことはわかってはいたのですが、
いったいどんなドラマを作ってくれるのか、楽しみにしていましたが、
木原さんとは全然違う作家さんである、天野さん風の
味付けをとても上手に演出してくれていて、
原作の辛さや痛さを感じない、
とても優しく安心して読める作品に仕上がっています。
(逆にこの原作の痛さが気になる人は、この漫画のほうがいいと思います。)
私は期待した以上のものを拝読できて嬉しかったです。
ですから、全部知っているにも関わらず、
コミックスも買ってしまったのですが…♪
「ergo」の他の掲載作品は、挿絵時から担当されている作家さんで、
それらはすべて原作を漫画化したものです。
ですが、
その後の木原さんの世界をオリジナルで見せてくれているのは天野さんだけです。
原作の挿絵も別の方で、小説からこの漫画を読んだ場合、
いろいろと先入観を感じてしまう読者さんもいるかもしれませんが、
それを跳ね除けるだけの、すばらしい世界感が十分あります。
そういう意味でも、木原さんの小説その後を
オリジナルストーリーとして描かれたこの作家さんは
すごいチャレンジをされたと思われます。
まず、小説と別物だという認識で、
丁寧に読んで欲しい作品です。
絵柄もとても魅力的だと思うし、素敵な作品でした。