景気低迷の中で、流通・小売・飲食等々苦戦が続く。しかし、その中で、顧客に愛され、着実に業績を伸ばすキラリと光る企業も少なくない。
本書は、中小企業の現場を知り尽くした編著者が、70個の分かりやすい「感動サービス」事例を厳選、紹介したものである。「豊かな時代に消費は飽和した」「買うものが見当たらない」というマスコミ流通説に対する強烈なアンチテーゼとして、「顧客に感動を与えていないから顧客が遠のくのであり、感動を与えることができれば、顧客は追いかけてくる」とする編著者の主張が、実例・実体験に基づいて挙げられており、「感動」の提供によって「たまたま客」が「わざわざ客」に転換するヒントが随所に盛り込まれている。
難解な経営書とは全く異なる平易なスタイルで、しかも、クオリティはそれに劣らず高く、サービスや事業の「本質」について、雄弁に物語っている。多くの経営者、ビジネスマンに読んでもらいたい一冊である。なお、通勤途上でも読みやすい体裁だが、感動が伝わって思わず落涙してしまうリスクがあるので、読者は注意されると良い。