この作品が発表された当時、若者の熱狂的な支持を集めたそうだ。
しかし、作品が単行本化されてから、もうすでに15年の時を経た。
15年というと、もうそれは「当時」と表現できるほどの時間だと思う。
この『リバーズ・エッジ』は感覚に訴える作品だ。
所謂、ストーリーを追いかけていって、感動する、恐怖する、悲しむタイプの作品とは違う気がする。
94年という時代に生きる若者の死生観、肌で感じる時代感覚を作品を読むことによって追体験できる作品のように思う。
つまりは、時代と密接に繋がった作品ということだ。
話が戻るが、15年というと、若者にとっては一世代違う。
もうこの作品は、今の若者とは時代感覚がずれてしまっているということ。
では、この作品はもう古いのか?
そんなことはない。
僕は、今でもまだ何とか若者に分類される世代だと思う。
そんな僕がこの『リバーズ・エッジ』を読んだのが5年ほど前。
それでも鮮烈なものがあった。
ポップでオシャレな絵。
背筋が凍ってしまいそうなほど無機質な登場人物。
岡崎京子という人の研ぎ澄まされた感覚が、時代と密接に繋がった作品でありながら、いつの時代の若者も共鳴してしまう作品へと仕上げた。
岡崎京子という作家の天才性が、この作品を読むことによってビンビン感じられる。
ウジが湧き、白骨化していく死体を宝物だと言う山田君。
食べては吐き、吐いては食べる吉川こずえ。
若草さんが最後に流した涙。
何をしたいのか、何を求めているのか、それすらも分らないまま、生きている実感を追い求める彼らの姿は、時代を超えて、この先も残り続けるだろう。