このアルバムは、聴いていて、流れがスムースで「音の組み立て方」が見事。
アコースティック・ベースをバックに、笑いが混じるスキャットが続いて、歌になる。
これはお客(リスナー)をもてなすプロローグで、1曲目が終わって、曲間を置かずに
アコースティック・ギターの響きが聞こえてきて、
コール・ポーターの名曲「I concentrate on you」になる。
次の曲はアコースティックピアノのイントロに導かれて始まり、
そのままピアノと静かで親密な対話をするようなスローナンバー「リフレクション」。
タイトル曲になっている5曲目は、ブラシで叩くスネアのリズムだけをバックに歌いだし、
リズムが白熱してボーカルが弾むと、ベースが入ってくるごきげんなナンバー。
ノリノリで「What a little moonlight can do」がフェイドアウトしていくと
一転して柔らかなアコースティックギターの爪弾き。それだけでダイアンは「Darn that dream」を歌いあげる。
こんな風に、1曲として同じ趣向のものがない。
ダイアンは、ジャズ・ボーカルナンバーを歌うというよりも、自分の歌を伸び伸びと歌っているよう。
語尾の発音など、すべてが丁寧で、楽しげ。聴いていてこちらも、愉快で、明るく、心地よい気分になる。