考えてみると、本作のような家族の「絆」を描いた作品は、かつてハリウッドの十八番だった。
それが、大国を挙げて個人主義に走った結果、世の映画も「個人別」に劇場に来るようなものばかりになった。
ティーンエイジ向け、高齢者向け、ファミリー向け、SFファン向け などなど・・・。
生前のW・ディズニーが製作したアニメーションは決して子供向けじゃない。だから今でも全ての作品が輝き続ける。
そういう中で、本作を観るとホッとする。
もともと20世紀フォックスが企画した訳じゃなく、サンダンスで絶賛されたものを買い上げたものだ。
こういう作品は「もう当たらない」とエグゼクティブたちが判断したのだろうが、世の中は3Dばかりではない。
何よりも、昔のハリウッドライクな作り方がいいじゃないか。カタブツで出世欲に取り付かれた父と、老人ホームを
ドラッグで追い出されたじいちゃん、うつで自殺未遂を起こした親類に、引き籠りの息子。母は、こういうやっかいな
状況を何とか中和している。唯一、天真爛漫な娘はちょっと小太り。
その娘がレドンドビーチで行われる「ミス・サンシャイン」決勝に補欠選考されてしまったから、さあ大変!
黄色の古いVWバンで、いやがる家族みんなを乗せて走りだす。
旅先で車は壊れるわ、じいちゃんは天国へ行くわ、父のあてにしていた出版が反故になるわ、と次々にトラブルが襲来する。
これらを解決しているうちに、家族の絆が生まれ、そして感動のミスコン会場シーンへとなだれ込む作り方は、本当に素晴らしい。
類似例を捜すと、これはJ・フォードの傑作「怒りの葡萄」コメディ版だと思う(笑)。配給も同じ20世紀フォックスだしね。
俳優陣もいい味を出しているが、やはりA・ブレスリンの存在感が凄い。アビゲイルはここからブレイクしたが、
さもありなん、の名演技だった。
特典映像はブルーレイのみの触れ込みのものも多いが、なぜかオールSD収録だ。ここはHDにこだわって欲しかったなあ・・・。
星は5つです。