この映画を見てからすでに6年、その間、何度、見たことだろう。何度見ても飽きない。「ニューシネマ・パラダイス」級に好きな作品のひとつです。脚本がいい。80年代なかば、サッチャー首相時代、英国は猛烈な構造改革をすすめ、その代表格が炭坑閉鎖でした。祖母と頑固な父、炭坑閉鎖に過激に闘う兄、貧しいながらも懸命に生きる一家。そうしたワーキングクラスの貧しい生活の中で、親に逆らいバレーに惹かれていくビリー。キャスティングも最高。とくに、ビリーを演じるジェイミー・ベルの演技、ダンスが素晴らしい。凄い数のオーディションから選ばれたらしいが、この主演俳優の存在なくしてこの映画の成功はなかったと思います。父親にダンスを止めろと言われ、怒りを爆発させ、踊るシーン、ビリーの才能を見抜き、暖かく見守る中流階級のバレー教師との心の交流。体育館で二人でブギ・ウギを踊ったシーンは圧巻だった。(監督がロイヤルアート・シアターの芸術監督だったと知り納得)。父親が息子の願いと才能を伸ばしてやりたいと、仲間から裏切り者とそしりを受けるのを覚悟で、泣きながらスト破り行うシーン、ロンドンに向かうとき隣に住むゲイの少年との別れ、そして、バスに乗った後、兄が「淋しい」と言うがそれが聞えないシーン、ロイヤル・バレーでの口頭試験で、緊張のあまりろくに質問に応えられず、もう駄目かと思ったら、ビリーの才能を示す「踊ると身体に電気のようなものが走るんだ」と言うシーン、時が過ぎ、ビリーがプリンシパルになり、父、兄、ゲイの幼友達の見る前で白鳥の湖を踊る一瞬、数えたらきりがないほど名シーンの連続、泣かせられるヒューマンな映画の最高傑作でしょう。ビデオを持っていたので、もう少し安くなったらと思っていましたが、やっと廉価盤が出たので、すぐ予約しました。特典映像があまりなさそうで残念ですが。