「妊婦版Sex and the City」と謳われているとおり4人の女性(うち3人は妊婦)が本音をぶつけあう。著者の分身のような主人公とその周辺にモデルがいるのであろう脇役から成る1、2作から一転、著者は“挑戦”をする。群像劇は小説を書く人間ならいずれは挑みたいものなのであろう。手始めとして、キャラクターの設定に心をくだいた跡が見てとれる。しかしこれがありきたり。マザコンのユダヤ人医師と、ぶっとんでいる(古くさい表現だがあえてこう言いたくなる)姑、日がな一日テレビを見て過ごす無職のダメ夫……どこかで見たようなキャラクターばかりで、著者の人間観察の浅さを感じずにはいられない。しかもそんな彼らにまで微にいり細にいった人物設定がされている様は相変わらず貧乏くさいが、もはやこれも作者の持ち味とされているのだろう。物語は、4人のヒロインにかわるがわる光を与えながら進行する。それぞれのキャラクターをかき分けた訳文に救われた。