リチャードはエリック・サティを尊敬しているというが、彼の活動全体を俯瞰してみると、サティの経歴をなぞっているように見える。初期のアンビエント作品がサティの「神秘主義の時代」、この時期の作品は「ユーモアの時代」にそれぞれ合致する。
この時期のAPHEX TWINは賛否両論のようだが、それはサティの「ユーモアの時代」も同様。この時期のサティは「世論を驚かすだけのために、天賦の才能が犠牲に供せられてしまった(A・コルトー)」なんて批判されたりもしている。一見ふざけてるところがこの時期のAPHEXにかなり近いような・・・。
しかし、「一音たりとも無駄な音は書いたことがない」と語ったサティ同様、この時期のAPHEX TWINの作品も、冷静になって耳を傾けると、音楽的にも非常にすばらしいことがわかるはず。ライナーでけなされてるFingerBibだって普通に名曲では?。美メロとドラムンの融合というアイデアは少なくないかもしれないが、ここまで独創的かつクオリティの高いものは意外に少ないと思う。
「天才」とか「狂人」とかいうイメージを一度きれいさっぱり取り払って、純粋にこの作品に向かい合ってほしいと思います。