ローティ哲学の入門書。
今までは、「リチャード・ローティ ポストモダンの魔術師」があったけれども、これはロールズとの議論を中心に据えるものだった。
けど、本書はも本当に全体像をつかむための入門書です。
文章も平易で読みやすく、ローティの思想の下地も書いてあるので、ローティの思想の流れがわかります。
第一部は冨田氏の「アメリカ言語哲学」と結構内容が被っていて、そちらを読んだ人はすごく読みやすいor読み飛ばしてもいいかも・・・
第二部以降は、わたしにとっては初めてのローティ情報満載で興味深く読めました。
著者は文章が平易なだけではなく、まずどういった背景があるのか、ローティの思想よりも少々長いくらいに背景について説明します。
そのためローティの思想に直接触れている部分が決して多くない場合でも、思想の内容そのものは飲みこみやすいです。
第二部のローティにとっての自由主義とは何であり「ミルの仮面を被ったニーチェ」という説明は得心がいくものでした。
三部以降は道徳、宗教を扱っています。やはり下地をしっかり記述した上でのローティ思想ということで読みやすくわかりやすいです。
二部の考え方を踏襲しつつ、それぞれ相対主義との批判があるローティですが、道徳とは、何かとは基礎付けはしないものの啓発的に我々にしめしてくれます。
読み終わって確かに、ローティが相対主義という批判があるのは仕方がないことだと実感しましたが、それ以上に「希望」や「物語」に著者と同じく惹かれました。
読みやすく、分かりやすいローティ入門書です。またアメリカ哲学の流れもある程度知ることができるので、そういった方面で興味がある方にもオススメです。