Liイオン二次電池について、その化学的性質から開発の歴史、製造プロセス、応用分野まで幅広く述べた参考書。
まず、Liの化学的性質に基づき、小型で高密度のエネルギーを持つ二次電池が生成できる理由が丹念に説明される。そして、Liそのものでは負極が劣化する理由、電解液の選択が難しくなる点等が、開発の経緯と共に詳細に説明される。更に、Liイオンを用いても、まだ残る過充電の危険性とその対策手段である保護回路ICの必要性を述べた部分は、昨今のノートパソコン等の発火事件を鑑みても興味あるテーマ。二次電池に適した電極や電解液に関しては非常に詳しい記述があるので、この方面の専門家にも役立つと思う。次いで、電気自動車、ノートパソコン、携帯電話用の市場動向にも触れられる。そして、Liイオン二次電池の製造プロセスが纏められているのも現場の方には有用だと思う。最後に、環境問題との係りの記述で締め括るなど、まさにLiイオン二次電池の全てを網羅したと言える良書。