この本は、表向きは、団塊の世代による「定年退職でリタイアするはずだった人が、しばらくリタイアしないために起こる問題」についての未来予測に基づくビジネス指南と当事者である個人に向けての処方箋である。しかし実のところ、著者の冷徹な分析とリタイアモラトリアムにさしかかった人たちへの人生をよりよく生きて欲しいという熱い思いが、特定の世代を超えた普遍性をこの本に与えている。自分の人生をプロデュースするタイミングは人それぞれである(実は著者も書いている。例えばp.49)。人間は、18-20歳になると成人と呼ばれる。同様に、学校を出てから18-20年を過ぎた頃以降が社会人としての成人だろう。人間の成人は、それまでの少年少女とは違い、社会に対して責任ある人生を送らねばならない。そして社会人としての成人は、一度きりの自分の人生に対しての責任ある生を生きる存在であるべきだ。不惑である小生は、この本を、人生の折帰り地点を過ぎた全ての働く人々への応援歌として読んだ。そして、著者の誠実さに、自分なりの回答を用意して明日からの日々を送ろうと思っている。