今の人生をリセットできたなら……と、ある程度の年齢を重ねた人なら
一度ならず考えたことがあるのではないか。
そういう意味では非常に興味をくすぐるタイトルであり、テーマだ。
この三人の主人公のように、47歳の人生経験と記憶を抱えたまま、本当に
タイムスリップできるのなら……。
冒頭、高校の元同級生たちの偶然の再会と、そろって30年前に戻るという
話の運びはやや強引な感を否めないが、戻った元の世界で彼女らが
「こう在りたい」未来を自らの手で掴もうと奮闘する姿が、読み手をぐいぐい
引っぱる。
心は47歳のままだ。今の自分より若い母を目の当たりにして、その立場や
心中を察したりするようすは、多少の苦さを伴って、母という人を鋭く
見抜いていてリアルだ。
それは、とりもなおさず自らが生きてしまった47年を逆に映し出すことでもあった。
2度目の人生で15年。通算62年を生きたときの決断は、三人ともが自分という
人間を十分に熟知した結果だ。
生き方を変え、選び取る道を変えてはみても、遺るのは他人にはなれない「自分」。
ならば、一度目の人生で抱えていた不平不満も境遇も、この自分の手で
もう一度動かしてみようじゃないかと思うに至るまでの話の面白いこと。
ずばりと本音で相手にぶつかっていく彼女たちに快哉。
ここにきて、当初ありきたりかと思われた三人の造形も、
俄然精彩を放って読み飽きなかった。