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「精鋭」の労働時間を短縮して「そこそこ」のひとたちの雇用を守るのが〈一律型〉ワークシェアリング。そうすると人件費は増加して生産性は低下する、というのが経営者側の論理であり、企業はこれに消極的にならざるを得ない。
「精鋭」とは長時間労働をいとわず成果を誇れる人たちで、企業からしてみれば彼らだけが残ってくれればよく、「そこそこ」の人たちはすなわちリストラの対象でしかありえない。それをやむを得ないと組合幹部ですら受け止めている悲しさ。「精鋭」たちも時短に伴い自らの報酬が減るのは素直に受け入れられない。
ただ、この「精鋭」たちの生活あるいは人生がどのようなものであるかは、すでにバブル期に暉峻淑子『豊かさとは何か』(岩波新書)でも述べられていた。否応なしに「精鋭」たらざるを得ない人々は私の周りにも多い。
タイトルがそうであるように、リストラとワークシェアリングについての理解を深めるのに大変役立つ。現在「精鋭」の人、「そこそこ」の人、パートタイマーの人、そして潜在失業者を含む失業中の人、それら多くの人たちにとって現状の認識と方向性の示唆に富んだ一冊である。
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