リスクは、事象の発生確率とその大きさが大切だがそれ以外に、以下のような要因も考慮すべきだと書いている。
1.不確実性(incertitude):発生確率や被害規模の確実性指標
2.同時偏在性(ubiquity):局地的か地球規模かなど。公平性を示す指標
3.持続性(persistency):短期、中期、長期、数世代など時間軸でとらえる尺度。世代間公平性に関する指標。
4.可逆性(reversibility):復元可能かどうかの指標。
5.晩発性(delay effect):潜在期間の観点から見る指標。
6.動員潜在力(potential mobilization):リスク認知に関する専門家と一般の人々のギャップが政治問題化するかどうかの指標。
そして、これらの指標の特徴により次のようなリスクに分類されそれぞれ異なる対策が必要たという。
1.ダモクレス型リスク(原子力エネルギー、化学コンビナート)被害規模大、発生確率小=>災害ポテンシャルを低減
2.キュクロープス型リスク(NBC兵器システム)被害規模大、発生確率不確実=>発生確率の不確実性を低減
3. ピュティア型リスク(遺伝子工学利用、BSE感染)被害規模不確実、発生確率不確実=>予防原則を適用する
4.パンドラ型リスク(残留性有機汚染物質)被害規模不確実、発生確率不確実、持続性が長い=>代替物を開発する
5.カッサンドラ型リスク(人為起源の気候変動)被害規模高、発生確率高、晩発的影響=>意識の向上を図る
6.メドーサ型リスク(電磁界)被害規模小、発生確率低、専門家と大衆の意見が異なりやすい。=>信頼関係を構築する
うまくまとめており、対策もリーゾナブルである。ドイツ連邦政府気候変動諮問委員会のレポートを参考にしているようであり、ギリシャ神話に関する知識がベースになっているがなるほどと思わせる。