リスクについてのニュースは日々耳にする。
そうしたニュースを聞いて不安になる人も多いだろうが、実はそれは過剰反応だったりもする。
本書は、そうしたリスクとの正しい付き合い方を探る本である。
マスコミの報道姿勢や心理学的な問題は類書でも読める内容だが、「専門家だからこその危険性」といった話や「どうやったら信頼してもらえるか」という議論は非常に興味深かった。
例えば、一見公平そうに見える「専門家同士の両論併記」は、読者からすれば「どっちなんだ」とますます不安になる。
また、専門家は簡単に自説を曲げないというのも、言われてみればその通りだけど、盲点でもあった。
筆者の提案する「モノサシ」はあくまでも暫定的なものだし、わかりやすくするためにいろいろな要素は切り捨てられている。
だからこそ、ハーバード大の10条件(p144〜148)も載っているわけで、だからこのモノサシはあくまでも簡易版とみられるべきであろう。
これの精度を云々言っても仕方ない気がする。
(個人的には、風呂での水死の確率の高さには驚いたが)
ただ、本書で一番引きつけられたのは、信頼における主要価値類似性モデルであった。
信頼の回復に何が必要か、どうすれば信頼が得られるか、などのもやもやしたことが、このモデルではきれいに説明されていた。
リスク論の本としてはなかなか興味深いと思った。おススメ