日米の社会学者2人の対談をまとめたもの。
日本人はなぜリスク回避傾向が強いのか、日本人はなぜ子どもを産まないのか、など現代の日本人の行動や思考パターンについて、さまざまな視点で分析しています。
特に私が興味をもったのは、日本人がリスク回避的な生き方をするのは、「生来そのようなDNAをもっているから」というより、「社会制度や環境がリスクをとりにくい状況になっているから」というもの。
たとえば、「アメリカでは簡単にリストラされるので一見リスクが高い社会にみえるが、その一方で別の会社で雇用される可能性も高い。しかし日本は再雇用がとても困難なので、離職が極めて大きなリスクになる。そのため人々はいまの仕事にしがみつくリスク回避的な行動をとるようになる。」といったようなことが書かれています。
日米の2人がそれぞれお互いの国をよく知っており、その経験に照らして対談しています。また、社会心理学者らしくさまざまな実験を通じて結論を導くアプローチもあり、その知的な論旨展開はなかなか興味深いものでした。
本書は「元気がないようにみえる今の日本社会も、制度の枠組みを変えていくことで沈滞を脱せるのでは?」と、希望や方向性を感じさせる本です。私はとても興味深く本書を読みました。