リコールは、クルマ、食品など、大小含めると新聞の広告や社会面で見かけない日は少ない。そして、記者会見の場では経営陣が頭を下げて、リコールを発生したことを詫びる。マスメディアは、リコール=悪、瑕疵として批判の論調で報じる。監督官庁は、リコールに対して、厳重注意というようなペナルティを課して成敗する。中には、食品の賞味期限の記載を誤ったというような、リスクとしては極めて小さいものまで批判の対象になる。かつて、日本の航空機事故、鉄道事故の原因究明において、警察・検察主導の起訴するための原因究明が先行し、再発を防止するための究明に着手できないという事例もあった。
本来、リコールは、再発防止、そして更なる成長の重要なポイントとなるべきである。例えば、過去のクルマのリコールを解析すると、ハーネスなど可動部分を有する部分で発生してきたことが判明した。そこから、次のステップはそれら「ブラブラもの」に何を施すかが重要になる。
リコール学には、15の法則があるという。当たり前のことばかりだが、多くのトラブルはそれらから発生している。特に「見えないリンク」は、担当者間、部品間の何らかのつながりを見逃したり、配慮を忘れ、大きな災害となることがある。重層チェックの落とし穴では、最初に見逃したポイントはあとからそこを素通りするというもの。災害をスイスチーズモデルに例えるときがあるが、同じベースでのチェックが何段かあっても同じことである。
モノづくりをする者にとって、リコール、失敗と向き合うことが重要であることを、本書では読み易く論じている。