「営業がよろこぶことをしよう」という社員サイドの声が、この物語の始まりである。しかし、現場の声を地道に拾い「よろこぶこと」を探そうとした担当者にとっては、「地獄の日々」の始まりでもあった。本書では、「よろこぶこと」の実現手段がナレッジマネジメントと呼ばれる考え方と似ていることを自ら確認し、システムを稼働させるまでの過程が、まるで実況中継のように小気味よいテンポで描かれている。またカットオーバー後に行った数々のデモンストレーションやプッシュメールなど、リアルとシステムの両面から現場を刺激し続ける努力が涙ぐましい。一見スマートに見えるナレッジマネジメントの導入の裏には、陣頭指揮に立つ人物の泥臭い努力があるのだということが改めて痛感させられる。
本書には、社外のコンサルタントによって指摘されたリクルートのシステムの弱点もそのまま掲載されている。ナレッジマネジメントの実際を知りたい人に、おすすめできる書である。
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また、この本の主役・舞台は「現場」の最前線に立つマネージャ(課長)クラスであり、現場の雰囲気、臨場感(リアリティ)に満ちている。このリアリティが、「ナレッジマネジメント」の導入に苦労している(多くの日系企業)関係者を勇気付けるかも知れないが、これはベンチャー的な「リクルート」だからこそできた、「リクルート流」の「手法」であることを忘れてはならないだろう。
オビに「やれるもんなら、マネてみる?」とあるが、これは意味深長である。挑戦的な意味ではないと思うが・・・
本書の他部署への展開あたりに、そういった内容が書かれていましたが。立ち上げた部署で成功したシステムを、次の部署用にちょこっとカスタマイズすればうまくいくだろうと安易に思ってしまいますが、それをせず、また新たにその部署に適した形を模索しながらシステムを作り上げていくというプロセスに、「システム導入」の本質を見ました。
加えて、異なる2部署でのKM導入プロセスを例示することで、導入方法の深堀も検証できます。それによるKM導入プロセスの体系化、あるいは’部署が違えばKMも異なる’など、理論本には書かれない生の経験則も選られます。 ’KMを学ぶ’のではなく、’KMをやる’人のための実践本として、良書です。
でもこの本はリクルートのスタッフが... 続きを読む
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