ひとことでいうと
「1.さ、最高に好みだ!!!!'2.しかし一気読みはできない。」
文学的に、最高に品が良い。品が良くて、高尚で、しかし語り手はリクガメ。このミスマッチが最高だ。
ロマンすら感じる。
物語全体に抑揚がないので、盛り上がりとか、起承転結とか、オチを期待してはいけない。どこからよんでも、大体同じだ。
極端なことをいうと、限りなく透明に近いブルーのラストなし、というくらい並列的な日常の集積であり、淡々としている。
「博物学者とくらしたカメの生活と意見」というサブタイトルの「生活と意見」というところに、そういった淡々さがあらわれている。
「一気読み出来ない」というのは、「一気に読めてしまう」=「おもしろい」の反対語ではない。
俗っぽさがなく、平々凡々とした日常。しずかに抱きしめたいような本だ。
このリクガメの日常には、自分の日常にリンクしてくるような、現実の時間の流れを感じる。
一気読み出来る勢いはない、だが、5年かけて読みたい本だ。