“そう遠くない日”に必ず行われる衆議院選挙。戦後初と言われる政権政党交代選択が問われる国政選挙への関心が高まるが、これは記憶に新しい2000年の大統領選のブッシュ対ゴアの大接戦から一転、フロリダでの再集計の気運を契機に巻き起こった大混乱の36日間の一連の顛末を映画化したもの。
チョウ型パンチカード式投票用紙がもたらした騒動。徹底したリサーチとセミ・ドキュメントな感覚で、当時ニュース報道でしか知りえなかった国を二分した歴史的な混乱が克明に再現され、マイケル・ムーアの「華氏911」でも暴露されていた不正工作や、アメリカの選挙システムと手集計に至るまでのプロセスが検証出来る。
集められる「政治」のプロと「法律」のプロたち。双方の陣営の相反する法律解釈、暗躍、謀略、訴訟合戦。時にはチェス・ゲーム、時にはミステリーのような丁丁発止の駆け引きとせめぎあい。狡猾な手法から低レベルの実力行使まで、赤裸々に描かれる。
当時失笑を買っていたフロリダ州務長官のキャサリン・ハリス女史(ローラ・ダーン、怪演!)も、当然の如くチャカされている。
時間を掛けての緻密な手集計作業が行われたとしても、結果が変わったかは“神のみぞ知る”、だろうが、暴走、自壊したその後のブッシュ政権を考えると、今作を観て、もしあの時ブッシュではなくゴアが選ばれていたなら、と感じる人は多いと思う。だが、歴史は取り戻せない。虚脱感を感じながらも、“今”となってはそれも時代の運命か。
選挙前から早くも混迷が続くこの国の選挙結果が、このようなバッド・チョイスにならん事を、、、。