警視庁強行犯第三係長 樋口警部補が主人公。
荻窪署の捜査本部に出張し、殺人事件の重要参考人の女子高生の行方をさがすことになります。
(私は、いつでも人の反応を気にしすぎるのだ……)
と自嘲しながら慎重に仕事を進める樋口に対して、
警視庁では「間違いのない仕事をする」と高い評価をしています。
出張のため荻久保署の署員とは初対面となるので、
緊張して捜査の書類になかなか身が入らなかったり、
自分の発言が言外に取られなかったかどうかを気にしたり……。
仕事をしていくうえで、多くの人が気にかけているそういった心情が
作中に吐露され、筋が展開していくのですが、
その樋口の気遣いは仕事の関係者に良く受け止められて円滑に捜査が進んでいく様子が
小気味良く書かれています。
「相手に気をつかって顔色をうかがいながら」
という主人公は推理小説にはめづらしいタイプですが、その真面目さや慎重さが事件の解決にそのまま役立っていく様子が面白かったです。