つまらないかなぁ?確かに読み物としてあらすじだけで見たらつまらないし、荒野のやりとりは退屈な部分もある。
でもシェイクスピアって台詞がいいし、特に野島さんの訳ってすごく格好いいんだよなぁ。
そもそも別に小説じゃなくて戯曲だからそれで評価するべきな気もする。
特に冒頭のリアとケントの鍔競り合いなんて思わず音読したくなる。
ここだけはシェイクスピアの権威だの何だのを遠くに追いやっても十分素晴らしいシーンだと思う。
凝り固まったおっさんおばさんはどうか知らないけど、今のアニメや漫画が好きな若者なんて、
シェイクスピアの一節だと知らせずに読ませても十分気に入るんじゃないかな?
ギュスターヴ・ル・ボンの本を読んでたら「誰も口にしないけどホメロスなんて今(19世紀末)じゃ倦怠しか呼び起こさないわ」みたいなことを
言っていて、現に自分もその通りだと思った。けど、一方では三千年弱も語り継がれているんだから伊達や酔狂の世界じゃなく、
それなりの意味があるってことも分かっている。やっぱり残るってのはそれなりの理由があるんですよね。
それを見つけるのは評論家の解説なんかじゃなくて読者自身だし、きっと見つかると思う。
今売れてる小説家たちの本は、一体あと何十年残るだろうか?きっと1世紀後には誰も読んでいないだろう。
そんなのはシェイクスピアの時代からあったし、ホメロスの時代からあった。意味があるものは自ずと残る。