ボウイにとって
シリアス・ムーンライト以来20年ぶりのライヴDVDだが、画質は雲泥の差でこちらの方がよい。「シリアス・ムーンライト」の音は悪くなく、本作と曲のだぶりが少ないので、両方あれば、ボウイの名曲群のライヴが揃う。
本作で驚異的なのは、ボウイの容姿・声の若々しさ。その彼が笑みを絶やさず、動きも軽く、ステージを楽しんでいる。すべての若き野郎どもで聴衆に大合唱させる場面は感動的だ。バンドでは、スキンヘッドの女性ベーシストのゲイル・アン・ドロシー。古代神殿の神官を連想する視覚的なインパクトが凄い。アンダープレッシャーで披露する声も大したものだ。
MCだけでなく歌詞も字幕が出るから(消すのも可能)、歌詞を大事にする人は日本盤を求めるべきだろう。ただし、愛しき反抗等、字幕の字数の考慮もあってか、「シリアス・ムーンライト」での訳と違いはある。
初回生産限定版はディスク2枚。ディスク1はコンサートのみで147分。それに対し、ディスク2は12分しかないのに注意。でもディスク1が、演奏・演出そしてスクリーン・イメージを違和感なく挿入する編集の妙等、すべての点で秀でており、ロック・ライヴDVD屈指の作品だという私の評価に揺らぎはない。