前半は著者がニューヨークで行なった連続講義で、後半は4章195節からなるパタンジャリのヨーガスートラ(格言集)のサンスクリットの原文に、翻訳とヴェヴェーカーナンダによる解説がつけられている。説明も古典的なクンダリニーなどの知識を、当時の最先端の脳科学と結びつけて説明し、たとえば、呼吸法は身体にリズミックな活動をもたらす傾向があり、呼吸中枢を通じて、我々が他の中枢を支配するのを助ける(p65)、などとします。ラージャ・ヨーガでは、人間の、あるがままの魂(自己p162)は、純粋で光り輝く不変(p167)かつ完全なもので、我々は他の何ものも、必要とはせず、我々が幸福そのものである(p195)とします。しかし、人は、物質と思いへの奴隷になっており、自由ではなく(p79)、そして、みたされない欲望と恐怖から不幸が生まれる(p21)。こういう状況では、もし人が長生きしても、彼は健康な獣にすぎない(p33、豚になったインドラp180の逸話は秀逸)。ヨーガの実践によって、自由なものと束縛されているものとの両方を識別することができ、それによって無知は消滅する(p189)。著者は、“自由になれ。これが宗教のすべてである(p192)”とし、この境地は、すべての人が到達できるもの(p124)と力強く宣言します。著者は“ヨーガは教師の指導のもとにおこなわないと危険である(p9)“としていますが、この本自体には、実際、ヨーガがどのようなものかを少しだけ体験するための幾つかの呼吸法が書かれているだけですので、この本を読んでヨーガを実践しても危険を伴うには至らないので安心して読んで良い。