作品解説と人物解説を一緒にやろうとして失敗した感があります。作品解説がとても中途半端なので、人物解説のみに注力して欲しかったと思います。あと細かなところで誤謬が多いです。オーレンシュタインが集めた資料に存在していた誤謬を訂正しないでそのまま掲載した思われる箇所があちこちにあります。よくわかるのが「高雅で感傷的なワルツ」です。ひなげしの花言葉=忘却、というほとんどの解説書に存在する誤謬をそのまま採用しています。「またこれかよ・・・」という気分になってしまいます。これは言うまでもなく「白いケシ」の誤りです。ちなみにきちんと「白いケシ」と書いている資料もあります。
同様に、ひまわりの花言葉を「いつわりの富」という誤訳。これはたぶん原資料から間違っていると思いますが、「あなたは私の太陽」という意味に決まってることくらい、前後の文脈から読み取って欲しいです。
こんなものは花言葉を調べればすぐにわかることですが、オーレンシュタインはそういう仕事を放棄しているわけです。この態度が許しがたいと思います。
こういいった誤謬が存在すると、ほかの記述も適当に集めた二次資料の真偽を確認しないで手当たり次第に載せてるだけだろう、と想像がついてしまいます。この2点を取っても、この本の存在を疑問視せざるえない誤謬です。ほかにも首を傾げたくなるような記述があちこちにあって、正直なところページ数の割には使えない解説本だと思いました。