「レニングラード」シリーズと「マッチ工場」を除いたらこの2本がカウリスマキの傑作。「コンタクト」は他のカウリスマキ作品同様、台詞が非常に少ない。これがカウリスマキの作品がどこの国の人でも結構親しみやすい理由のひとつだと思う。台詞は英語で、いつものカウリスマキ調を保ちながら、内容はハートウォーミング。ラストの「オーヴァー・ザ・レインボウ」といい、結構癒される。「真夜中の虹」といい、この頃のカウリスマキは、早くも癒し系を行っていたんだろうか。「ラヴィ・ド・ボエーム」は、貧乏な画家、音楽家、作家の3人が苦労しながらもしたたかに生きている様子を描いた話と言ってしまうと、ひどく凡庸に聞こえるが、まずモノクロームの映像に生える絵の撮り方、構図、そしてまるでジャームッシュのようなショットの撮り方。はっきり言って、かなりワンシーン・ショットに近い。カメラはほとんど全くと言っていいほど動かないため、とても落ち着いて一つ一つのシーンに注目しながら観れる。カウリスマキ作品の常連、マッティ・ペロンパーが主演。この人はセリフをゆっくり丁寧に話すので、棒読みしているように聞こえるが、なぜかこの人がこのような話し方をすると、効果的な話し方になるのが不思議。最後、日本語でそのまま「雪の降る町を」が流れてきたので驚いた。カウリスマキ作品は好感が持てるということを再確認できる作品。生活、人生の苦しさを、笑い(あの「逮捕する」の曲、大爆笑)を交えて演出するのが最高に上手い。