「ランボー」シリーズに感動する日が来ようとは思ってもみなかった。
勧善懲悪の単純な映画に見えて実はそうではない。確かにミヤンマー軍は悪役で連中をやっつける事が山場にはなるのだが、「連中をやっつければスカッとする」とは程遠い作品である。しかしそれがゆえに感動的な作品に仕上がっているのが凄い。
9・11やイラク戦争を通じてアメリカ人は単純な世界観の是正を迫られており、その中でアメリカの正義を説くという大変困難な時代になった。「世界の混乱を放っておいてもいいのか」と言う声がある反面、「アメリカの若者の血がそのために流されてよいのか」という声がある。暴力を批判する側も戦地で「非暴力な手段で行動すれば」という反面、常に死の恐怖や、非暴力とは言え、戦地に行く事自体、戦争に参加する事だという矛盾が付きまとい、暴力も非暴力も限界をさらけ出しているのが現代ではないのか。そこに切り込んだのがオリバー・ストーンでもスピルバーグでもなく、スタローンである事が今の世界の困難さを象徴している。凄まじい虐殺に対して虐殺で応じなければならない現実。しかし虐殺は悪であると考えれば正義とはどうなるのか。そこから目をそむけない真摯な姿勢が素晴らしい。