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この訳はそのような小林訳のかっこよさはない。しかし、親しみやすさがあるのだ。小林訳におけるやたらと激しい口調もいくらか柔らかくなって、血気盛んな反骨高校生の心を捕らえるのには適さないが、なんといってもわかりやすい。
シンプルなランボー。小林氏を読みたいならあっち。ランボーを読みたいなら宇佐見氏の訳をお勧めします。
25年前の10代に出会ったランボー訳詩は、何が書いてあるか全くわからない、難解な代物だった。
おかげで、私はランボーを敬遠して40歳をすぎた。
先日『宗教とアウトサイダー』のランボーの章にひかれ、この宇佐美訳をめくってみた。
何とわかりやすく、まばゆい宝石箱のような詩集だったことか!私は胸打たれ、動揺し、ランボーに心臓をうちぬかれた!
「酔っぱらった船」の恍惚、「地獄の季節」の傲慢な美しさと奢れる才気、「イリュミナシオン」のすがすがしい幻覚と陶酔!
この訳詩と、10代の頃出会っていたら!
私もランボーのように、放浪の旅に出ていただろうかーーー。
まだ、遅くはないと信じつつ、宇佐美先生に尊敬の念をこめて。
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