本国アメリカで日本でも大人気のユーモア児童魔法ファンタジー・シリーズ第5巻です。ランプの精リトル・ジーニーの叶えてくれる3つのお願いは、魔法の効果が続くのが永遠ではなくジーニーの腕につけた砂時計の砂が落ちるまでですから、どうしても内容が一過性の小さな願いになってしまうのですが、まあ人間が完全に満たされて怠け者になるのも良くないですので、これくらいが丁度良いのかなと思います。
アリはパパ、ママ、おばあちゃん、ブルドーザー(弟のジェイク)の家族5人で揃ってこの休みにスパ・リゾートへ行く事になりました。アリはジーニーを連れて行くか置いて行くかで迷いに迷いますが、結局は一緒に行く事にします。車の中でパンフレットを読んでいたアリは期待していたのと違ってハードでしんどそうなのを見て嫌になり、思わず「もっと楽しいところにつれてって!」とお願いしてしまいます。
最初は「カウンセラー・ジョーのスパ・リゾート」が目的地だったのに、前方を見ると行き先が「カウボーイ・ジョーのスパルタ牧場」にガラッと変わっているのですから、おかしくて笑ってしまいます。これで5回目の冒険とあって今までの失敗から学んだのでしょうか、今回は大混乱という程でもなく願いが上手で精度が上がっているなと感じました。でも常識はずれな所は少なからずあって、投げ輪投げの標的のサボテン自身が動いて輪を受け止めて下手なアリを助けたり、ラバが人間の言葉をしゃべったりするのが相変わらずジーニーらしい変てこな魔法です。でも今度のクライマックスでは魔法によって素晴らしい善行が為されて毎回苦労してばかりいるアリが珍しく報われる嬉しい名場面が読めますので、本書一番の読み所と言って良いでしょう。本当に大きな混乱もなく平和でまともに終わった感が強い今回でしたが、でもあまり普通だと逆に平凡でつまらなくもなりますので、またジーニーらしいぶっ飛んだおかしな魔法でびっくりさせて欲しいと願って次巻も期待して読みますね。