ランプの精ジーニーと小学4年生の女の子アリが巻き起こす絶対にまともでは済まない大騒動を描く奇妙奇天烈な魔法ファンタジー・シリーズの大好評四冊目です。あとがきによると、シリーズは当初この四冊で終わりの予定が日本の読者の強い願いによって作者の続巻の執筆が決まったとの事で、今では全部で20作も書かれているのですからこの時の後押しがあって本当に良かったなと思います。
アリのクラスが遠足でヨーロッパから引っ越して来たお城の見学に行く事になりました。アリは魔法で混乱する事を恐れてジーニーを家に置いて行こうとしますが、強くお願いされてとうとう根負けしてしまい、魔法禁止を条件にして一緒に行く事にします。
3つの願いは何時もなぜかどうでもいいような事を耳ざとくしっかりと聞きつけて叶えてしまうのですね。今度もクラスのうるさい男の子バリーがおとなしくなるだろうなと仮定で考えて何と鎧兜で包んでしまいます。事情を知っているアリ以外のバリー本人と親友メアリーはさっぱり理由がわからないものの先生たちに見つからない様にするしかないと懸命に隠す態度がおかしいです。それから途中でジーニーが絵の中の世界に入ってしまう冒険の場面がありますが、作者はうっかり忘れてしまったのかそうなった原因を最後まで書いてくれていません。まあとても面白かったですから固い事は抜きにして許すしかありませんね。そして今回の最大の肝は、ポップルホフ家のお城の本物の幽霊のわがままお嬢さんヘンリエッタが現れて、ジーニーをお人形と間違えて自分の物にしようとする大騒ぎです。でもヘンリエッタは悪者ではなく理由ありの可哀そうな女の子で、アリがジーニーを助ける事だけでなく思いやりの心を持って善行を施してあげる優しさに心を打たれます。ジーニーのしでかす事はいつもと同じでメチャクチャなのですが、でも「終わり良ければ全て良し」で振り返ると何となく楽しい記憶だけが残っているのは、ジーニーの魔法が段々と良くなっている証拠なのでしょうかね。作者のアイディアはますます冴え渡っており、まだまだ尽きる事無く大丈夫みたいですので、次巻もまた楽しみに読もうと思います。