本国アメリカの女の子の大人気を獲得した最高に愉快な児童魔法ファンタジー・シリーズの乗りに乗る第3巻です。このシリーズは、小学校4年生の女の子アリが幾ら真面目に「3つのお願い」を頼んでも、ランプの精リトル・ジーニーの手にかかるとどうしてもろくでもない事になってしまうという定番ストーリーですが。今回は少しパターンを変えて「災い転じて福と為す」で読者をとてもハッピーな気分にしてくれます。
アリはクラスのいじわる女王ティファニーが部屋をピンク色に模様替えしたと知って自分もしたくなりジーニーにお願いします。ところがどこでどう間違えたのか、アリが手でさわると物が全てピンク色に変わってしまうというとんでもない事になったのでした。
今回も作者は突拍子もない事を思いついてエンジン全開でぶっ飛ばします。アリがうっかり手を触れた物がたちまちの内にピンク色に変わってしまうのを見て、事情を全く知らない人々はみんな当然ながら「ぎょっ」としますが、アリの理屈に合っていないしどろもどろの言い訳が凄くおもしろいです。でも人は魔法なんて絶対に信じませんから、これには何か隠された原因があるのに違いないと自分自身で納得して答を出してくれるのですね。今回の最大の見せ場は、アリが親友メアリーの家へ遊びに行ってその兄ダニエルのサッカーチームのユニフォームに触れてしまい青色からピンク色に変えた事によって起こる大騒動です。女の子みたいであまりの格好悪さに怒る男子たちですが、ライバルチームとの試合直前とあって我慢せざるを得なくなって、そしていよいよ始まった試合の結果は意外にも・・・・。今回もドタバタした魔法ファンタジーの冒険の数々の陰で密かに感動したのは、アリが自分の幸せだけでなくみんなの幸せの為に「3つのお願い」を使ってあげようとした優しい心です。アリはしょっちゅう心臓をバクバクさせながらも、ピンチの連続に次第に慣れて来た様で大胆に人々の疑いをかわす腕前はお見事で中々頼もしく思います。作者の快進撃はとどまる事を知らず、次はどんな頓珍漢な魔法で楽しませてくれるのか次巻も大いに期待したいと思います。