シンクタンクの元祖、未来のノーベル賞ホルダーが切磋琢磨した場、アメリカ
政界向け人材供給源(結果として、時の政権への(当然、その時々で程度の差は
ある)政策にも関与している)、ネオコンの源流・・・となっているランド研究所
約60年の歴史に迫った一冊。
ランド研究所が何故に出来たのか、というところ(戦争を如何に効率的に行う
か、という命題の研究だった)から、ウォルステッターの登場と隆盛(アメリカ
の核戦略の主流を担った)、ベトナム戦争にどう絡んだのか、空軍依存から民間
プロジェクト受注への転換(医療保険制度やニューヨーク市との合同事業)
そしてネオコン主流派を輩出した現代までを400p超で描いています。
しかし、前述したとおり盛りだくさんのエピソードです。なのに各章は平均20p弱
短いものだと10p未満もあります。となれば必然的に一つ一つのボリュームは
小さくなってしまいます。
ランドの研究、若しくはランド出身者(一部関係者)が、政策立案に関与・
政策当事者になったことはこの本から読み取れるのですが、それが実際のところ
何処までの影響力を持ったのか?という点については、今一はっきりしない感を
受けるのです。
研究の副産物であるゲーム理論や囚人のジレンマ等、ランド研究所の功績
(そして負の部分=ベトナム戦争推進など)を一気に拾う、という点では読む
価値もあるのですが・・・何となく中途半端な感を否めないのも事実なのです。